よく検索するキーワード 中島彩 私の名前は「中島彩」と書きます。本名です。 あれは確か大学一年生のとき、初めて同じ名前の人を見つけました。本屋ででした。中島彩ちゃん。年齢は一緒で、出身地も近い。 女性ファッション誌を立ち読みしていて、彼女は読者モデルとして紙面に登場していました。 コギャルを卒業して神戸の大学に通ってて、コンサバ系女子大生になろうとしているけれど、茶髪細眉、ギャルっぽさが抜けない格好のスナップで写っていました。 初めて見かけて以来、その雑誌は時折チェックしています。中島彩ちゃんはこの10年、あくまで読者モデルという立場ですが、雑誌に登場し続けています。 「aya's diary -あやのまいにち-」というブログもやっています。彼女はこの10年程で、結婚して出産もしました。ブログではファッションの話だけじゃなく、主婦目線、ママ目線での日々のことも書いています。ギャルっぽさはずいぶん抜けて、ナチャラルな雰囲気に落ち着いています。 アナウンサーの中島彩さんもいます。 年齢は私よりちょっと若いけれど、これまた出身地は大阪です。 マラソンがたいそう好きらしく、数々の大会に参加されています。 この彩さんもブログをやっています。「走ろう!彩と」。 私はときどき、「あやのまいにち」や「走ろう!彩と」を読んでいます。読者モデルの彩ちゃんが、「今度新しく雑誌に紹介してもらえることになりました」とか、アナウンサーの彩さんが「マラソン完走しました」みたいなことを書いてると、ちょっと嬉しい。 「中島彩2ちゃん」も見ます。 「ブスじゃん?」とか書かれてることもあって、そのときは悲しい。 ウェブで自分の名前を検索して、評判や自分に関連した話題を見てみることを「エゴ検索」というらしいですが、私はこのエゴ検索をしてみようとしてもうまくできません。たいがい前述の雑誌やテレビに登場する中島彩さんたちの情報が検索上位にあがるからです。他にも音楽家や大学教授や、たくさんの中島彩さんがいます。友達になれそうな人もいれば苦手そうな人もいます。でもときどき「中島彩」検索をします。 そんなことをしていると、私は「中島彩」のひとりとして生きているような気がしてきます。私は最近いまいちだけど、別の中島彩はいい感じみたいやから、総合的にはいいかとか、叩かれてる中島彩を見つけては、自分の咎を背負ってもらって悪いなあと思ったり。 だからやっぱりこれは「エゴ検索」といえるんじゃないかしら。しかもその自我は広がりがあって、全部を自分で背負わなくてよかったりする。 何とも気楽で楽しいエゴ検索です。 そんなわけで、珍しい名前の人とか、名を知られていて自分が検索トップにきてしまう人は、ちょっとかわいそうな気がしています。そういう人はそういう人なりのエゴ検索の楽しみがあるのだろうけど。 でも名前という、大概の人が自分の意思に関わらず先天的に与えられるもので、ささやかな「検索」の楽しみ(もしくは悲しみ)が左右されるなんて、ちょっとね。 なんせよ私は「エゴ検索」における自分の名前は気に入っています。父さん母さんご先祖様、ありがとう。